MT4によるFXトレードやEAにおけるロスカットとは

EAにおけるロスカットとはMT4での裁量トレードやEAなどのFXトレードにおけるロスカットとは、相場が予想と反対の方向に動き、損失が一定の基準に到達したときに強制的にすべてのポジションが決済されることです。ロスカットは、損失を一定水準に抑え、それ以上の損失の拡大を防ぎ投資家の資産を守ってくれるシステムです。

ロスカットの基準は、必要証拠金に対する有効証拠金の割合に応じて決まり、これを証拠金維持率と言います。証拠金維持率の計算方法は以下のとおりです。

まずは必要証拠金がいくらかを計算します。
取引通貨の現在レート × 取引量 ÷ レバレッジ = 必要証拠金

有効証拠金は以下で求めます。
証拠金(FX会社口座への預入金額) ± 保有中のポジションの損益 = 有効証拠金

それぞれを以下に当てはめていきます。
有効証拠金 ÷ 必要証拠金 × 100 = 証拠金維持率(%)

たとえば有効証拠金が12万円で、必要証拠金が4万円だった場合は、
12万円÷4万円×100=300%
となり、証拠金維持率が300%となります。

証拠金維持率がいくらでロスカットになるのかはFX会社によって異なりますが、証拠金維持率100%付近となると強制ロスカットの危険性があり、注意しなければなりません。ロスカットを避けるためには、証拠金維持率が500%程度を保てるようにしてください。

戦略や長期投資などの理由でロスカットを避けたいという場合の方法はふたつです。ひとつは、MT4口座に追加の資金を入金することで証拠金維持率を上げるという方法です。もうひとつは、ポジションの一部を決済することで証拠金維持率を上げる方法です。こちらは一時しのぎにしかならない場合もあるので、戦略に基づかないのであれば含み損を抱えたポジションを保有し続けるのではなく早めに損切りをする方がいいでしょう。

MT4のEAにおいてもロスカットのリスクはあります。ロスカットにあったからといって必ずしも使えないEAというわけではありません。ロスカットに1度や2度あってもトータルして利益を出してくれているのであれば、優秀なEAであることもあります。どんなに優秀なEAでもロスカットの危険性は常につきまとうものですので、必ず経済動向をチェックしながら必要に応じてEAを停止するなどの措置を取ってください。またMT4のEAは相場状況によって適宜見直す必要があります。相場状況にあっていないEAだと安定した利益が出なかったり、ロスカットに合う危険性が高まったりします。

ロスカットにも注意点があります。預け入れ資金以上の損失を出すことを防ぐためのロスカットシステムではありますが、相場の状況によっては強制ロスカットが間に合わず、大きな損失を出してしまったり、追加証拠金を請求されてしまったりするケースもあります。たとえば、急激な相場の変動や休日明けの相場変動による場合です。有名なものが2011年のスイスフランの暴落です。スイス国立銀行の発表があってからフランが急落し、損切りをしたりロスカットが発動されたりしましたが、約定のときにはレートが遥かに下落しており世界中の多くの投資家が大きな損失を被る事態となりました。

そういった予期せぬ損失を避けるためには、高いレバレッジでの取引を避ける、むやみやたらな追加資金の投入は避ける、為替相場の動きが激しいときはトレードを辞める、など基本的なルールを徹底していくことが重要です。MT4でのEAはFXに慣れていない初心者の方でもかんたんに手を出せそうではありますが、基本的なファンダメンタル分析(経済指標や金融対策など金融動向の分析)は必要です。自動で売買をしてくれるMT4のEAであっても、状況に応じて手動での決済やEAの停止の判断をしなければなりません。ロスカットを避けるためだけでなく、利益を得るためにも安全な取引を心がけてください。

EAとは、Expert Advisorの略称であり、FXにおける自動取引を行うツールです。MT4EAの無料配布サイトでは、初心者でも安心に利用できる資金管理が行える仕組みをプログラムに取り入れています。